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UTGからショートスタックがオールイン。さぁどうする?
状況:ショートスタック(32.5BB)のUTGがレイズオールイン。自分はコールしてAKoでコールして、相手はAKs。
ボードは8Q53Qで結局チョップ(引き分け)となりました。
このシチュエーションにおいて、 以前のポーカースノーウィーでは、フォールドとアドバイスし、新しいAIではコールと判断しています。今回はこの理由を分析していきましょう。
こういった状況はどのように分析すれば、適切な意思決定ができるのでしょうか。
最初のステップとして、ポットオッズの計算を行ないます。
今回はポットに0.68ドル入っていて、コールするためには0.64ドル必要です。
つまり、コールをするための必要な勝率は、 0.64/(0.64+0.68)= 48.5% 以上あれば良いことになります。
2番目のステップは、エクイティを判断することです。
UTGの相手がどんなハンドかはわかりませんが、ハンドレンジを想定することはできます。ですので、彼のレンジを想定しつつ、自分のハンドのエクイティを計算します。
エクイティ計算に影響を与える、BBというもうひとりのプレイヤーも考慮に入れる必要がありますが、
BBがさらにいいハンドを持っている可能性は小さいでしょう。
なぜなら、すでに自分はAとKを1枚ずつ持っているわけですから、
BBが、AAまたはKKを持っている確率はわずか0.5%になります。
簡単な算数で、私たちは、そのリスクを無視するか、彼がフォールドするものだろうと予想できます。
最後のステップは、複数の選択肢を比較して、意思決定することです。
たとえば、UTGからのレイズオールインをするレンジを、AK、JJ+と考えると、
そのタイトなレンジ(全体のわずか3%)に対しても、AKoは39.8%の勝率があります。
言い換えると、ステップ1で計算したコールに必要な勝率「48.5%」より下回っているので、フォールドすべき、という評価になります。
もし相手がAQ+、99+ (上位5.1%)でプッシュしてくるとすると、
AKoの勝率は48,7%にまで上昇します。必要なポットオッズよりわずかに上回りました。
もし相手がさらに広いレンジでプッシュしてくるとしたら、勝率はさらに上がり、コールも容易になります。
逆に相手がAQ+、99+よりもプッシュしてくるレンジがタイトであれば、
AKoでコールするのは十分な勝率がなく、難しいということになります。
相手の情報が何もない場合、私たちは相手のレンジが想定できません。
想定よりタイトでチップを失うこともあれば、ルーズで大きく勝てる場合もあります。
私の想像では、一般的に、32BB持ちのUTGからプッシュしてくるプレイヤーは、
5.1%よりも広いレンジを持っているでしょう。
ですから、私はこの点についてもポーカースノーウィーの新しいAIと同じ考えです。
ただスノーウィの計算によれば、コールをするための32BBをリスクに晒しても、
得られるエクイティはわずか2.62BB。見方を変えると、フォールドしても、
2.62BBの損しかしない、と言い換えることもできます。つまり、かなり瀬戸際の決断というわけです。
コールという決断に至ったもうひとつの理由は、「レーキ」です。
レーキが5セント(0.05ドル)と仮定すれば、コールに必要な勝率は、50.39%です。<0.64/(0.64+0.68-0.05)>そして相手が、6%(88+,AJs+,KQs,AQo+)より広いレンジでプッシュするとすれば、コールすることは正当化されます。
私の考えでは、ほとんどのプレイヤーは、ATsやKQoもプッシュレンジに入っていると思いますが、やはり先ほども書いた通り、ぎりぎりの決断になるでしょう。
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原文(英語):http://www.pokersnowie.com/blog/2014/11/26/old-vs-new-ai-facing-all-utg
AIといっても、決して複雑怪奇な計算をしているわけではなく、
中級以上のプレイヤーなら知っていて当然のポットオッズの計算とレンジ分析に基いて意思決定をしています。地に足がついた思考とも言えますね。
あなたのレンジ予想と、スノーウィの予想、比べてみませんか?
この翻訳はPokerSnowie.comから公認されています。